論理学が文科系の学問であった歴史がありますので、論理演算の種類を言う用語は、難しい漢語も使われています(表4.1)。日本語のワープロ環境では、漢字を使うことができますし、特別なグラフィックス字形の論理記号も使うことに不便はありません。しかし、英語の環境では、論理記号の表し方に苦労があります。
  
表4.1 種々の論理用語と論理記号
 
  | 
       論理学用語  | 
  
       論理学の記号 (*1)  | 
  
       集合論の記号  | 
  
       計算機言語 (*2)  | 
  
       英文 (*3)  | 
  
       和文 (*3)  |  
 
  | 
       否定   (*1)  | 
  
      P,¬P,
  | 
  
       記号に上線を引く  | 
  NOT  | 
  not  | 
  
       …でない  |  
 
  | 
       選言 論理和  | 
  P∨Q    (*4)  | 
  P∪Q   (*5)  | 
  OR  | 
  or, and/or  | 
  
       または  |  
 
  | 
       排他的選言、 排反、非両立  | 
  
       P∨Q    (*6)  | 
  
       P≠Q  | 
  XOR  | 
  exclusive or  | 
  
       どちらか  |  
 
  | 
       連言 論理積  | 
  
       P∧Q, P&Q  | 
  P∩Q  | 
  AND  | 
  and  | 
  
       かつ  |  
 
  内含、含意  | 
  P→Q、   | 
  
       P⊃Q Q⊂P  | 
  
       IMP 
   | 
  
       if〜then, imply  | 
  
       ならば  |  
 
  | 
       可逆的内含、 対等、同値  | 
  
       P≡Q  | 
  P⇔Q,  | 
  EQV  | 
  
       equivalence  | 
  
       等しい  |  
 
  | 
       全称記号  | 
  
          | 
  
       ∀x, Πx  | 
  
          | 
  
       all  | 
  
       すべての…  |  
 
 
  | 
       存在記号  | 
  
          | 
  
       ∃x, Σx  | 
  
          | 
  
       some  | 
  
       あ(或)る…  |  
 
  | 
       帰属  | 
  
          | 
  
       ∋、∈  | 
  
          | 
  
       inclusion  | 
  
       (部分を) 含む  |  
 
  | 
       包摂  | 
  
          | 
  
       ⊇、⊆  | 
  
          | 
  
   subsumption  | 
  
       (全部を) 含む  |  
 
  | 
       注  
        (*1)この列の説明では、論理変数の記号(取り消し線を使うP)の方を表記に用いました。 
          式全体を否定にする場合は、式を括弧()で括って、その前に¬の記号を書きます。 
        (*2)BASIC言語で用いる論理演算子の表し方を例示します。 
        (*3)日常言語のなかで使われる表現と、論理学での定義とでは少し異なることがあります。 
        (*4)全角英字のVと字形が似ていますので注意して区別して下さい。 
        (*5)全角英字のUと字形が似ていますので注意して区別して下さい。 
        (*6)選言記号∨にアンダーラインを付けた表記です。  |  
 
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