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3. 数を表す方法

3.4 丸めの方法と応用


3.4.4 実数を整数化する丸め

 小数点以下に数字が並ぶ実数を、整数に丸めることは、元の実数の或る範囲を、整数で代表させることです。その範囲がどのようになるかを、図3.1に示しました。切り上げは、0の範囲がありません。これは「かぞえ」の方法です。日本では、建物の階数の数え方に応用しています。建物は高さ方向の寸法を持ちますが、床から天井までが階の範囲です。切り捨ては、0の範囲が2倍です。四捨五入は、マイナスからプラスまで、0を含めて、実数範囲がすべて同じ長さです。これは、実数の数値計算に応用すると、計算誤差を最小にできる丸めです。コンピュータでは、実数型の数を整数に変換して使いたいときの方法が幾つかあります。実数型の変数を整数型の変数に代入すると、四捨五入で丸められます。切り上げまたは切り捨てにしたいときは、元の実数に.0.5または-0.5を足してから代入します。整数化にする関数に、MS−EXCELには、INTとして定義されている関数があります。マイナスの実数は、整数部の絶対値が大きくなることに注目して下さい。

 図3.3 実数を丸めた整数値の実数範囲

科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2015」

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