目次ページ  前ページ  次ページ

3. 数を表す方法

3.2 固定小数点と浮動小数点


3.2.4 普通の電卓の賢い使い方

 普通の電卓は、種々の商品があります。お金の計算ならば、7桁あれば、100万円単位までの計算に使うことができます。科学技術計算で、数値の精度を気にするときは、12桁を使います。電卓は、計算結果の「切り上げ・切り捨て・四捨五入」の選択ができて、その処理をする桁位置を選択できます。これが丸め(rounding)です。次節で詳しく説明します。電卓では「cut,up,5/4」表示されている切り替えスイッチで選択します。小数点を持つ実数の丸めでは、小数点以下何桁目で丸めるかの桁位置の指定とセットにして使います。なお、筆者は、数学的な関数機能として、ルート(sqrt)計算ができるものを使っています。無い製品もあることに注意します。算術の手順を代数式で書いて示すとき、例えば、掛け算は「A×B」、割り算は「C÷D」とし、その順で数値を入力します。記号式の数の呼び方は、Aが被乗数、Bが乗数、Cが被除数、Dが除数です。演算記号×÷のキーを押して、後から入力した数が定数メモリに残りますので、イコールキー「=」を続けて押すと、加減乗除が繰り返して実行されます。例えば「2×2===…」とキー入力すると、結果の数が、2,4,8,16…の順に表示されます。標準の電卓は、メモ書きに使うような独立したレジスタが一つ付きます。計算の途中結果を紙に書いて残し、後の計算に使うとき、再度数値を入力し直さなければなりません。例えば、分数の計算では、分母を先に計算して用紙に書いておく、などです。この用紙に代わるものがメモリ用レジスタです。商用計算の電卓では、余分にもう一つ、幾つかの計算結果を順に加算して行くGT(grand total)の処理ができるメモリを持っています。メモリ用レジスタを賢く使う方法を工夫すると、紙に書いて記録しておく手間を節約できます。また、この手続きを理解しておくと、数値計算の賢いプログラミングを書くときの役に立ちます。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2015」

前ページ  次ページ