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2. 四則演算の常識を確認する

2.2 引き算と割り算には向きがある


2.2.2 座標の考えを使う

 図2.6 筆算での割り算
 個数の多い物を一列に並べることを考えます。これを順序数で区別するとき、1の位だけに注目すると、「1,2,3、…、9,0」が繰り返して現れます。0からは始めません。身近には、この順序数を眼にすることが多いのですが、マイナス方向にも順序数を割りつける例に、寒暖計の目盛があります。図2.6の寒暖計(Wikipediaより)は、摂氏(℃)と華氏(F:ファーレンハイト)の二種の表示目盛が付いています。日本では華氏目盛を使いませんが、英語圏では、今でも親しみ易い単位として日常的に使っています。華氏の温度目盛は、人が感じることのできる実用的な温度範囲で、判り易い正の整数を割り付け、マイナスの数を使わないように決めたものです。図2.6の寒暖計は座標の表示法を使っています。摂氏の表示は、0を境にして逆向きに目盛が振ってあります。マイナス符号(−)が書いてないことに注意します。最近の温度計はデジタル表示が多くなっていて、0度以下をマイナスの記号を表示しています。摂氏の温度系列を使うのは科学的だと思うでしょうが、必ずしも実用の面で合理的とは言えない面もあります。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2015」

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