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2. 四則演算の常識を確認する

2.2 引き算と割り算には向きがある


2.2.1 引き算は交換律が成立しない

 引き算を代数表記で「A−B」と書くとして、書き順を変えた「B−A」は、前と同じ計算結果になりません。算術の計算は、結果が正の整数になる場合だけを演習します。負の数を定義しません。小さい数から大きい数を引くことはできない、と約束し、答えが無い、または0とします。この約束は、お金を扱う計算(経理)のときに困ります。そのため、引き算の順序を逆にして計算し、その数を赤字で書くか、三角記号△を数字並びの前に書く表し方をします。補数は使いません。実数も扱う代数学的な引き算の約束では、書き順違いの二つの計算結果は、絶対値が同じで、正負の符号が逆に付きす。代数学的な数は負の数も使います。そうすると、負の数を引く計算もできます。これは、正の符号に直して加算します。俗に言う「マイナスのマイナスはプラス」です。符号が正の数と負の数とは、全く別世界を表していて、連続的な数の世界ではないのです。その境界が0です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2015」

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