目次ページ  前ページ  次ページ

2. 四則演算の常識を確認する

2.1 算術の基礎教育


2.1.3 補数の概念が使われている

 小学校で引き算を習うとき、同じ桁位置の引き算で、小さな数から大きな数を引くとき、直前の桁から10を借りてくる方法を教わります。これには、意識をしていませんが、補数の考え方を使っています。例えば12−7の計算をしなければならないとき、引く数7の、10の補数3と、2とを足す計算をして5を求めます。補数の解説は、高校までの数学の教科書では取り上げていません。コンピュータを利用する数値計算を勉強すると、2進数の補数表現の説明があります。しかし、そもそも、補数の概念を習っていなかったことが災いして、この部分についての理解が難しいようです。なお、電卓が簡単に利用できるようになって、小さな数から大きな数を引くと、マイナス符号を付けた、負数の表示がされます。電卓内部のレジスタでは負の数は補数で扱われているのですが、文字表示の処理をして、符号付きの数に変換して表示しています。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2015」

前ページ  次ページ