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1. 数を言葉で言う

1.4 数の表示と単位分けとを学ぶ


1.4.1 技術には三つの要素を考える

 数学(mathematics)は、数を扱う学問(science;科学)の総称です。その中身を区別する専門分野は、代数・幾何・微積分…などに分けて学習されます。しかし現実には、数値計算に応用することで、始めて身近の問題の解決に使うことができます。こちらは算術(arithmetic)、つまり計算の技術です。算術と言うと、幾らか初歩的な意味合いに取られることを嫌って、学術的な言い方は、数値計算法数値解析などと言います。単に数学と言うと、実用または応用を捨象して、原理の探求に焦点を絞ります。数値計算法は、世俗的な問題に数学原理を応用して計算する方法を指します。このため、大学での学科分類では、数学科(mathematical science)は理学部に属し、数学の応用を扱う学科、例えば応用数学科(applied mathematic)は、工学部に属する、などの仕分けをしています。そこで、技術を構成する全体に、三つの要素を考えます。「道具技法技能」です。コンピュータに関連する用語で言うと、「ハードウエア、ソフトウエア、ヒューマンインタフェースに当たります。指を使って計算するときは、指が道具です。そろばんは、立派な道具です。計算を手際よく進めるための知識が技法であって、ここに数学も応用されます。道具としてのそろばんを使うには、練習が必要です。これは人(ヒューマン)によって得手・不得手があります。これが、技能であって、ヒューマンインタフェースの用語の背景です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2015」

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