目次ページ  前ページ  次ページ

1. 数を言葉で言う

1.3 数のゼロとマイナスとを理解しておく


1.3.4 満と「かぞえ」の使い方がある

 人の年齢を言うとき、生まれた年を1歳とし、正月になると1歳を加える数え方を数え年と言います。12月生まれは、すぐに2歳になります。1月生まれは、まるまる一年経ってから2歳になります。年齢に使う数は順序数ですが、或る幅を持った範囲を一つの数で表しています。そのため、同い年であっても、一年の成長差があります。満年齢で言うときは、生まれた月日からの経過年齢を、(満)2歳3カ月のように言います。数学的な正確さで言いたいときは、実数を使って2.5歳のように言うことがあります。
 一方、階数の多いビルでは、階に順序数を割り付けます。日本では、地表と同じ高さの階を1階とし、そこから上に二階・三階…と順序数を当てる「かぞえ」方式です。ところが、フランスの建物では、日本の一階をレドショッセ(道路と同じ高さの階)と言い、ニ階から上の階番号を1からの順序数で数えます。数学的には、0から始める数え方ですので、エレベータでは日本の一階に当たる階に0を当て、地下の階にマイナス符号を付けた数を当てることもあります。英米では地下室をbasementと言います。これを受けて、日本では地下の階番号は、下向きにB1・B2…と当てます。0階の番号は使いません。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2015」

前ページ  次ページ