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1. 数を言葉で言う

1.3 数のゼロとマイナスとを理解しておく


1.3.3 順序数を一意に決められないことがある

 或る範囲の長さや領域を区別したいとき、擬似的な順序数を使います。擬似的というのは、そこで使う整数が上で説明した生徒番号のように一意に付けられないことと、幾何の座標値のような、実数が持つ精度の意義も持たないからです。住所を言うとき、町名を使って「何々一丁目・二丁目…」のように順序数を当てます。より詳しい位置を言いたいときは、下位に細分化した領域を考え、番地番号などを使います。集合住宅では、建物番号、階番号などを形容詞的に加えて、順序数の室番号を付けます。鉄道駅のホームには、上り線・下り線などの線別を区別するとき、順序数で「1番線・2番線…」のように区別します。しかし、線数が1番線の反対側に増設されることもあって、0番線、00番線と付けることがあります。番地名に、例外的に0番地や無番地の言い方を使うことがあります。ただし、負の番号を当てることはありません。人名では「一郎・二郎・三郎…」のように順序数も見られますが、連続した使い方ではないことも少なくありません。ホテルで部屋番号を割り振るとき、4や13を忌み数として、その番号を飛ばすことがあります。実生活の場では、数学的な正確性にはこだわらない使い方をすることも理解しておきます。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2015」

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