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1. 数を言葉で言う

1.3 数のゼロとマイナスとを理解しておく


1.3.1 何も無い時の個数を言いたいとき

 物の個数を数えるときは、和語的には一つ・二つ…のように言います。助数詞を付けて「一個・二個…」、切り紙ならば「一枚・二枚…」、本ならば「一冊・二冊…」のように言います。何も無いときに、ゼロを使う言い方、例えば0個、0枚、0冊などとは言いません。商品などでは、品切れ・売り切れなどと言います。日本語では、数の漢字表記に漢数字(一・二・三・四…十・百・千…)を使います。ゼロには漢字の零を当てることもありますが、普通は何も書きません。漢数字で使う〇は、記号であって、漢字の辞書に載りません。アラビア数字の表記で、0を含む103または2005を漢数字で書くとき、百三または二千五で済ませます。そろばんの読み上げ算では、「百トンで三、二千トビトビの五」のように言うことで、0の数が幾つ続くかを知らせる方法を使います。英語でも、物の個数を言うときは、数形容詞を名詞の前に付けます。何も無いときは、nothing、no sheet, no bookのように、無に相当するnoを数詞の代りに使います。英語ではアラビア数字をdigitに分類するのですが、0を含めないこともあります。つまり、何も無いことに、数字の0を当てるようになったのは、数学史の中でも興味のある話題です。英語では、数字並びを逐語的に言うときは、0{ゼロ}を「オー」と発声します。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2015」

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