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1. 数を言葉で言う

1.2 道具を使って数を説明する


1.2.2 数量を確認するときに道具を使う

 10個以下の少ない数量を互いに確認し合うときは、指で数えます。指も立派な道具だからです。しかし、やや大きな数を商活動の場で確認したいとき、日本では算盤(そろばん)がよく使われました。現代では、電卓(卓上電子計算機)が普及しました。英語のabacusは、そろばんの訳に当てますが、英米では、子供に数を教える道具です。これらの道具は、その場限りで数を表示して確認する一過性の使い方です。つまり、証拠になる記録が残りません。したがって、数を確認し合うときは、口約束でも、お互いに相手を信頼することが基本です。念のためと、覚えのために「書きもの」を残します。記録が残せる計算道具の代表が金銭登録機です。これは、単純な計算機に簡単なプリンタを付けたものです。筆者は、コンピュータが未だ普及していない時代、技術計算に手回しの計算機を多用しました。このとき、途中の計算結果を紙に書いて控えを残し、計算間違いの検査をすることに苦労がありました。そこで、記録の取れる計算機として、金銭登録機を利用することも考えました。しかし、加減算には向きますが、乗除計算にはレジスタの桁数が足りないことが難点でした。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2015」

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