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5. オブジェクト指向データベース

5.3 写真データの目録作成と利用技法


5.3.6 データの管理者側の資料整理

 橋を図柄に持つ切手を画像データとしてデータベース的な利用では、この元資料の中身をユーザ側が変更する使い方をしません。しかし管理者側では、新しい切手の情報を追加することを考えておきます。上で例示した筆者の方法、特にHTML-Help のファイル形式に編集することは、すべての HTMLファイルをあらかじめ作成しておいてコンパイルに利用しますので、手が掛かり過ぎます。したがって、データの追加作業が必要になるファイルの数を減らし、クライアント向けの送信用ファイルを自動的に作成する方法があると助かります。これは、クライアントの検索要求が有る度に、動的にHTMLファイルを作成しますが、これを保存しません。これを目的としたソフトウエアの開発が、第4 節の最後で紹介した ASPです。この作業に使うファイルは、ここでは、@ EXCELで作成したワークシート、A元にする画画像データファイル、Bそのサムネイルの画像データファイルです。ASP で作成するファイルは、図 5.3〜図 5.5 です。手作業でこれらのファイルを作成するときは、元データのEXCEL のワークシートから、列の項目を並べ変えたうえで、コンマ区切りのテキストファイル(CSV 形式)に変更し、そのレコードを HTMLファイルに組み込みます。作業の方法は、第 3章で解説した目次と索引の作り方と本質的に同じです。図 5.4は、橋の名前から目録を作成したものですが、この他に、下の表 5.2のような見方で索引を作成することを設計すれば、クライアント側には親切なソフトになるでしょう。
表 5.2: 橋の写真の索引に使う分類
 全体索引  切手の発行年月日順に並べた全リストです。
 サムネイル目録  縮小した図柄(サムネイル)を並べて索引にしたものです。
 橋名による索引  名前が分かっている場合です。名前の分からない場合が以下の項目です。
 鉄道橋  図柄の主題は機関車や車両ですが、橋を点景として含む場合です。
 公園と橋  日本庭園の図柄などには、橋が描かれていることが多く見られます。
 塔と建物  塔は建物や橋脚にも使われます。構造力学的な見方をするため含めます。
 記念切手   図柄に、絵画の中の橋が描かれているような場合も含めます。
 ふるさと切手  主に都道府県の観光地案内に発行されたものです。
 その他、写真切手など。  ふるさと切手よりも、やや私的な意義で発売された切手です。

図5.5 橋の切手のWEB上の閲覧画面(例)
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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