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5. オブジェクト指向データベース

5.2 図面データの電子化技術


5.2.6 画像の縮小には賢いソフトが必要

 サムネイルの寸法は、ほぼ郵便切手大です。ビットマップ形式の画像を縮小するときは、例えば一つおきにピクセル情報を抜けば、寸法は1/2になります。しかし、単純にこの操作をすると、細い線は切れ切れになり、線としての図形が消えていきます。最近の画像処理ソフトは、細い線図で描いた図面をサムネイル化しても、程々の線図で観察できるように進歩してきました。元々、工業製図では濃淡図やカラーを使うことを制限し、ハッチングなどの作図技法を規格化しています。しかし、A1版の手書きの図面を、切手寸法程度に縮小してしまうと(図 5.1C)、何が描いてあるかも分からなくなりますので、35 mmフイルムのコマ寸法程度 (図 5.1B)が限界です。図5.1Aは、その約 2倍、名詞寸法に作成した例です。白黒画像をマイクロフイルムで保存する、またはスキャナでビットマップ化するには、コントラスト(明暗度)が高くなるように、元の図面を墨入れして清書するのが最善です。鉛筆で製図して青写真にした元データからスキャンすると、再生画質が落ちるのが一つの悩みです。図5.1は、コントラストを強調するように修正したものです。元の画像は線が薄いので、縮小が過ぎると、線図形の大部分が分からなくなってしまうことを見て下さい。

図5.1 忠節橋(岐阜県)の一般図
名刺大に縮小したイメージ (A)

35mmフィルムのコマ寸法に縮小した場合 (B)

切手大のサムネイル画像 (C)

科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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