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5. オブジェクト指向データベース

5.2 図面データの電子化技術


5.2.1 画像データベースが重要な課題

 橋梁の資料は、写真や図面があると具体的な知見が得られます。写真の方は、一般の人も興味を持ちますので、多くの資料があります。写真が実用されなかった古い時代から、多くの画家が橋を題材としました。これには歴史的な資料としての意義があります。絵画が作成された年代が分かっていると、その年代の記録になっているからです。現在では存在していないか、条件が変ったことが、記録として残ります。ただし、専門家から見ると、詳細構造まで分かる例は多くありません。写真を使う記録は、絵葉書の題材に多く見られます。これも、郵便の日付を見ることで、年代が分かります。アマチュアが撮影した写真は、インターネットで多く見られるようになりました。しかし、撮影年などのデータの扱いには無神経です。図面や専門的な視点で撮影した写真は重要です。ただし、図面は、マイクロフイルム化して保存することもしますので、風景写真とは扱いが異なります。写真と図面とを含めて、これらを一次資料の扱いをするデータベースを画像データベースと括ることにします。図書とは、図と書とを合わせた意義の言葉ですが、図をデータベースに構築するときは、別の視点が必要です。それは、中身が分かる程度の小さい寸法の図をまとめて目録を作成しないと、検索の能率が悪くなるからです。画像の場合は、親指の爪大の縮小画像(サムネイル: thumbnail)の利用が便利になりました。デジタルカメラのデータを写真屋さんに持ち込むと、CD−ROMに保存してくれます。ネガに代える、一覧用のサムネイルをサービスしてくれますので、広く知られるようになりました。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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