目次ページ  前ページ  次ページ

4. データベース入門

4.3 ワープロ用辞書への要望


4.3.5 自動翻訳を考えるとき

 技術の国際化が進んで、外国語の文献から日本語に翻訳するだけでなく、日本語を外国語に翻訳する需要が増えました。そうであると、専門用語についても逆引き辞書が必要です。翻訳は難しい問題があります。人に頼る作業を軽減するため、自動翻訳が研究されるようになりました。英文和訳は何とか日本語として読める文章にできますが、和文英訳はみじめな現状です。これは、そもそも、翻訳に当てる文章が、論理的に作文されていないことの方に罪があります。文学的な表現は含みを持たせた省略、話題を間接的に表すレトリック、冗談を加える、などの技法を評価するのですが、これが間違いの元になります。コンピュータは、裏の意味を読み取ることはできません。率直な話し方は失礼になる、と思われているからです。話が脱線するようですが、論理的な、実用を目的とする作文指導をする場が、日本の教育環境では抜けていたからです。現実的には、旅行などの日常会話での相互翻訳があります。これにコンピュータを介在させる試みが研究されています。多くの言語種類に対応するには、言語ごとに翻訳機能を開発したいところです。その種類と複雑さを避けるため、一つの中間言語を介して、二段階の翻訳をすると効率的です。その中間言語には英語が便利です。この英語は、必ずしも正確にイギリス英語またはアメリカ英語にはなりません。標準言語と言わず、中間言語を言うことに注意します。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

前ページ  次ページ