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4. データベース入門

4.3 ワープロ用辞書への要望


4.3.2 正引きと逆引きの辞書

 漢和辞典は、部首を大枠分類とし、画数順に漢字を見出しに使い、その漢字を頭とする熟語を並べてあります。例えば、正の字を使う二字熟語は、「正位」を始めとして50語ほど取り上げてあります。しかし、二字目に正と使った、例えば、「修正」のような熟語も参照できる漢和辞典は、コンピュータを利用して編集ができるようになってからです。筆者が持っているのは平成8年版(1996)角川必携漢和辞典です。岩波逆引き広辞苑は1992年が初版です。普通の文字並びの辞書は、特に正引きとは断りません。文字の並べ方についても、あいうえお順が常識ですが、昔の習慣は、いろは順が普通でした。何かの文書を作成するときの目次は、項目の並び順は内容の種別によりますので、文字の読み順にはなりません。そこで、別に、何かの約束を使った並べ変えのリスト(例えば時間順)を作ることもします。索引を作るのが丁寧な編集です。こちらは、文字並びをあいうえお順とするのが普通です。表現方法は違いますが、目次と索引の対応は、内容の正引き逆引きの関係になっています。前の項で説明したシソーラスでも、階層構造を正逆2方向に辿れるようになっていないと、適切なキーワードを探すことができません。或る語の上位語は一つです。下位語は複数ありますが、それらはすべて紹介しなければなりません。関連語は、そこには示しません。こちらは、一旦上位語に戻り、そこの下位語から探します。このキーワードの探索方法は、キーワードが階層構造に分類できることが条件です。いつもそうとは限りません。ネットワーク(網目構造)は、関連を探す道筋が一意に決まらないので、探索に失敗することがあります。索引は、語の並べ方に規則を設けますが、内容へのアクセスはランダムです。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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