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4. データベース入門

4.2 ハードウエアとソフトウエアの要求事項


4.2.3 カード型データベースが使いい

 図書館で利用できる図書カードは、カード型データベースの原形の意義があります。検索サービスに使うため、二種類の見出しカードを作ります。著者名カードと、書名カードです。どちらも、和書はあいうえお順、洋書はABC順で並べます。これをコンピュータ化するときは、蔵書全体を一つのマスターファイルを作成しておいて、それから、種々の検索語を使って図書のレコードを探します。検索を便利にしたいため、ソフトウエア的に種々の工夫が考えられてきました。データ量が少なければ、単純な目録に作成します。そのツールとしてテキストファイルを使うことができます。これも検索機能を使うことができます。EXCELの表形式に読み込めば、見易いリストにするような並べ変えが簡単にできます。プログラマの心情としては、便利な検索機能を工夫したいのですが、必ずしもユーザに親切になるとは限りません。Googleが提供しているインターネットの検索機能の使い方に、一般の人が慣れてきました。その入力は、思いついた言葉(自然語)を入力するだけであって、著者名・書名・固有名詞・専門用語などの区別をしなくても済む方式です。これはKVS (Key-Value Store)と言われていて、静的なデータベースを利用する方法です。考え方は至って単純ですし、データの管理も単純になっています。そうでなければ、膨大なデータ量を扱うことができないからです。探したい項目本体の保存個所、インターネットの世界では、ウエブサイトが分かればよく、そこから先の探索はユーザ側の努力です。図書で言えば、カード情報に番号をつけておきます。別に、作業用にキーワードとこの番号の対照表をつくり、これを検索に使います。複数のキーワードがあると、その数だけ対照表の項目数は増えますが、元のデータリストを直接使いませんので、作業用のデータが大きくなりません。さらに、元のデータがどこにあるかの所在情報だけを扱いますので、ファイルがどこにあってもよいのです。この発展的サービスとして、電子化書籍、さらにはクラウドサービスが注目されるようになりました。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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