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3. 目録の作成からデータベースへ

3.5 ファイル装置の基礎知識


3.5.6 文書の目次や索引はデータベースの性格がある

 文字数の多い著作、また、ページ数の少ないレポートの作成でも、本文の作文が済んだ時点で目次や索引を作ります。これは目録を作ることと同じです。しかし、この作業はかなり面倒です。一つの理由は、後戻り的な整理作業の性格があるからです。目次や索引を作成する目的は、検索にあります。著作物単位を一つの世界と見るとき、探したい項目のキーワードを並べ、その位置(ページ番号など)を教える手段が必要です。これは、小規模ながら、データベースの作成と見ることができます。紙の書物であれば、項目の位置をページ番号で示すのですが、電子化文書ではその方法を使うことができません。筆者は、HTML形式のファイルの目次や索引を作成することも考えて、ページ番号に代えて、章・節・項の番号を使っています。したがって、マイクロソフト社のWordが、サービスとしているツールを使うのではなく、単純なテキストエディタ (メモ帳:NotePad)と EXCELを使い分けて、目次と索引の原稿を作成しています。見本は、筆者のHTML文書をインターネットで見て、目次または索引をパソコンのモニタ表示しておいて、マウスの右ボタンをクリックして、ソースの表示をクリックすれば原稿を見ることができます。例えば下の例を見て下さい。例図を図3.1〜図 3.6に示しました。
「易しくないコンピュータ言語学」 www.nakanihon.co.jp/gijyutsu/Shimada/CompLinguistics/top.html
簡単に作成方法を説明しておきます。目次と索引の原稿は、Wordで作成した本文原稿をコピーして、キーワードを残し、これを作業用のテキストファイルに改めてコピーします。これをEXCELに読み込んでから、幾つかの共通文字並びを列セルとして追加した表に作成します。索引の場合には、キーワードをあいうえお順に並べ変えるのですが、漢字の訓読みを使うこともありますので、フリガナ用の列セルを追加します。並べ変えが済めば、フリガナ用の列セルなど、不要な作業用セルを削除します。このEXCELのデータを、コンマ区切りのテキストファイルに書き出し、不要になったコンマや制御文字をテキストエディタの置き換え機能を使って消去します。このテキストファイルの拡張子を*.txtから *.htmlに直し、幾らかの書式情報を追加して完成させます。図3.1と図 3.2は、 PDF形式に変更した電子書籍のスタイルです。ユーザ側でダウンロードして、自分用のハードコピーにして読みます。インターネットでの閲覧用には、本文の項単位でHTML文書にし、相互にリンクを取れるようにしてあります。このときの、目次と索引の作成見本が図3.3〜図 3.6です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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