目次ページ  前ページ 次ページ

3. 目録の作成からデータベースへ

3.5 ファイル装置の基礎知識


3.5.4 高速でデータを移しかえる命令がある

 コンピュータの主演算装置(CPU : central processing unit)から見れば、ファイル装置もRAMも外部装置の位置づけです。ファイル装置にあるデータと RAMとの間で読み書きする、さらにRAMの或る個所の一続きのデータ並びを単に別の場所の RAMにコピーする、などの移動処理にCPUを使うと、データを1個単位で処理するので非能率です。そのため、データ転送用の補助的なプロセッサが別にあって、そちらに一括して転送処理を任せる方法を取り、CPUはその間、別の作業をさせることができます。そのデータを CPUで使うときは、転送処理が済んだことを知らせるフラグを参照するように、機械語のプログラムを組み上げます。テキストエディタやワードプロセッサは、この転送機能を有効に活用して文字並びの編集作業を行います。一固まりの文字並びを削除するときは、その文字並びの下にある文字列全体を上に移動させます。また、或る個所に文字列を挿入するときは、そこから下にあるデータ全体を下に移動させなければなりません。文字列をモニタ上で確認するときは、表示のための工夫がされます。モニタは、表示専用に使うメモリを別に用意して、そこにテキストを転送します。これによって、テキストのスクロールや、行末での文字列の自動折り返し表示ができるのです。眼で見る限りでは、この転送速度が気にならない位、高速になりました。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

前ページ 次ページ