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3. 目録の作成からデータベースへ

3.5 ファイル装置の基礎知識


3.5.2 磁気テープと磁気ディスク

 コンピュータの実行に必要なデータを保存しておく大容量の外部記憶媒体として、最初に使われたのがパンチカードです。統計処理に主に使いました。鑽孔紙テープは、古くから電報用電信機に使われていましたが、データの追加・変更・並べ替えには不便でした。紙テープに代わったのが磁気テープです。これは、オーディオ機器、さらにはビデオ装置に使われ、一つの時代を画したのですが、現在では各種のディスク装置に代わってきました。磁気テープは、大容量の記録ができる利点があります。欠点は、データを頭から順に書き込み、巻き戻して頭から順に読み出す使い方をしなければならないことです。磁気テープの論理的なファイル構造を順編成ファイル(sequential access file)と言います。テープの終りの方にあるデータを取り出そうとすると、巻き取りと巻き戻しにかなりの無駄時間を取られます。磁気ディスク装置、また、同類の磁気ドラム式は、任意の順番で書き込みと読み出しが、磁気テープに比べて高速です。こちらをランダムアクセスファイルと言います。データベースを扱うには、先ず大量のデータを準備しなければなりません。それは、論理的には順編成ファイルをディスクファイルに作成することから始めます。そのデータを検索して、並べ替えなどの作業をするとき、データ全体または部分を内部メモリに移して作業ができれば、処理速度が圧倒的に改善されます。これが、前節で説明したRAM(ランダムアクセスメモリ)です。この使い方をディスクキャッシュ(disk cache)と言います。なお、光ディスクが便利になりましたが、英語表記ではdiskに代えて discと書き分けています。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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