目次ページ  前ページ 次ページ

3. 目録の作成からデータベースへ

3.4 計算機械の原理から


3.4.3 データに番号を割り当てるときの数の制限

  個数の多いデータを扱うとき、コンピュータは、外部メモリからデータを読み出し、演算用のレジスタの他に、追加の内部メモリを使います。これをRAM (Random Access Memory)と言います。データ位置(アドレス)に番号を割り当てる、この番号の最大値が、レジスタが扱う数の最大値で制限を受けます。データベースは、データ数が非常に大きくなりますので、その対応をどう設計するかが、データベース管理システムの課題の一つです。データ数が多くなければ、普通のプログラミング言語を使っても程々の処理ができます。データを演算用レジスタに読み込んで計算し、内容の書き換えや並べ替えをします。扱うデータのビット並びの寸法単位を、紛らわしいのですがワードと言います。8ビットのマイコン(マイクロコンピュータ)は、 2バイト(16ビット)を 1ワードとしましたので、全体は65Kバイトのメモリ空間を使うことができます。オペレーティングシステムと内臓プログラムの領域に32Kバイトを当て、残りを作業用に使います。したがって 8ビットのマイコンを使ったテキストエディタは、最大で32Kバイトの文字数制限がありました。 16ビットの計算機は、大型計算機に対して中型計算機と言いましたが、大型計算機に合わせて32ビット長のメモリ寸法を 1ワードに割り当てました。16ビットのパソコンは、この中型機の設計を踏襲し、65Kのワード数寸法を1ページ長と約束しておいて、ページ単位でメモリ領域の管理をします。プログラミング言語では、大きな配列のデータを扱うとき、この65Kの寸法を巡って、幾つかの制限があります。例えば、表計算ソフトの EXCELは、表の行数の最大値に65Kの上限がありました。列数は、 255まで、RAMの許容ページ数です。データベースを扱うとき、この制限を越える大寸法も考えなければなりません。したがって、パソコンも32ビットのレジスタを使うようになって、本格的なデータベースの作業ソフト ACCESSが可能になったのです。なお、追加のメモリに使うRAMは、多ければ多いほど作業のゆとりがありますが、常時使うメモリを、現金を手許に置くと言う意味を含めて、キャッシュメモリ(cache)と言います。 32ビットのパソコンでは、1GB寸法の RAMが普通に実装されるようになりました。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

前ページ 次ページ