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3. 目録の作成からデータベースへ

3.4 計算機械の原理から


3.4.1 整数しか計算できないこと

 パソコンは、道具として必需品になりました、大容量の内部・外部メモリが使えることが常識です。データベースへの利用を理解するには、計算機械開発の歴史について、一通り復習しておく必要があります。数値計算に使う道具は、基本的に整数しか扱いません。小数点を含む実数であっても、小数点位置を便宜的に決めていて、実際は整数計算をします。そろばん(算盤)を使うとき、桁並びのどこかを小数点位置に仮定するのがそうです。数値並びで、計算桁数の範囲の外に小数点を決めなければならないときは、元の数値の単位系を変えます。電卓(電子式卓上計算機)は、数の表示画面の桁数が、10桁または 12桁が普通です。この桁数並びの範囲に小数点位置が無い数は、表示できません。二つの整数の掛け算をするとき、二数の有効桁数の和が、表示できる桁数を越えるときは、エラーになります。小数点を含む実数では、見掛け上、大きな桁数になる計算ができます。このときは、小数点位置が画面上に残るときはエラーになりません。整数部分の桁数が表示桁数を越えるときはオーバーフロー桁溢れ)のエラーと言います。また、小数点数以下に0が並ぶ小さな数が計算されると、表示できる有効数字の数が減っていき(桁落ち)、それを越えると0しか表示しません。これをアンダーフローと言います。少し高級な関数電卓は、浮動小数点数で表示してくれます。小数点位置が画面から外れる数は、小数点位置を左端に移し、補助的に10の何乗になるかの指数表示を添える表し方をします。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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