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3. 目録の作成からデータベースへ

3.3 資料の静的管理と動的管理


3.3.3 個人が閉鎖的に使うのはデータファイル

 データベースの定義の中で最も基本的なことは、独立した複数の利用者が共通ファイルにアクセスできることにあります。データを集めたファイルの複製を作って配布または販売し、それを個人が自分専用として使うものも、便宜的にデータベースと言います。見掛け上、一単位のデータファイルを複数の人が共有して使っています。しかし、このファイルは、データベースではなく、或る目的でデータベースの検索結果を利用した成果品ファイルです。元の内容が更新されても、自分用のファイルの更新は、自動的には行われません。自分で作業をして更新することは、実践的には不可能です。利用者の立場から言えば、自分の作業目的に必要なデータがあれば良いのです。殆ど使うことのないデータに、多くの保存媒体を個人的に準備したいのは人情ですが、無駄に繋がります。個人単位で作成するデータファイルにデータベースの名前を付けたい理由は、他の人にも利用してもらいたい、または研究成果としても評価してもらいたい、と言う世俗的な下心もあります。研究者が作成する、この種のデータファイルは、作成者の専門観によるフィルタを通した、項目の選択があります。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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