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3. 目録の作成からデータベースへ

3.3 資料の静的管理と動的管理


3.3.2 ユーザの利用で内容が変わるデータベース

 互いに独立した複数のユーザがアクセスできて、データを共通に利用したいとします。そのデータ内容の変更を伴う形式のデータベースが、ビジネスで最も多く利用されるようになりました。商品の注文と在庫管理などに利用するデータベースがそうです。複数のユーザが見掛け上同時にアクセスしても、混乱しないように管理することが必要です。比較的単純なデータを扱う例として、新幹線や航空機の指定席の予約(ブッキング)を考えると理解し易いでしょう。このデータベースにアクセスする利用者は、個別のサービスセンターの端末を扱う窓口の掛です。互いに全く独立ですし、データベース本体がどこに在るかには頓着しません。運行単位ごとに、予約状況を保存するファイルが作成されますので、お客さんの希望を聞いて、日時、便番号、などをキーにして、空いている席の現状をまず確認します。希望者が殺到するときは、直ぐに予約をしないと、他の人に持って行かれますので、差し当たり、唾を付けるように保護をかけます。お客さんの確認を待って予約が確定します。確定の前後で取り消しが必要になることがありますが、この手続きは厳重なセキュリティの手順があります。そうしないと、他の人の勝手な書き換えや、ダブルブッキングのエラーが起こります。この予約のデータは、空席か、そうでないかですので、最も単純な(0,1)情報で区別ができます。データ内容は刻々と変化しますので、筆者は、これを動的なデータベースと区別することにしました。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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