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3. 目録の作成からデータベースへ

3.3 資料の静的管理と動的管理


3.3.1 静的なデータベースとその管理

 一般の人は、データベースを作成すると言う意識なしに、私的に使う住所録などのデータを整理しています。これをパソコンで利用できるようにすると、例えば、年賀状などの宛名書きの手間が少なくなります。いわゆる名簿屋は、住所・氏名などの個人情報の集積である名簿のデータファイルを売買する裏商売を言います。これが、ダイレクトメール、迷惑電話、などに利用されています。考えようによっては、データの中から或る条件に適合する個人データを引き出して利用していますので、データベースの最も標準的な使い方をしています。しかし、容易に理解できることは、名簿内容は、追加・削除・訂正など、更新の管理が必要です。したがって、古い名簿は商品価値が下がります。一方、図書館の蔵書管理に使うデータベースは、蔵書の追加だけを管理します。一旦登録すれば、廃棄をしませんし、データ項目の変更も削除も考えません。このデータベースのファイル処理は、権限を持った管理者だけに許すように厳重な安全管理で保護され、一般のユーザがアクセスしても書き換えができないようにします。筆者はこれを静的なデータベースと言うことにしています。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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