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3. 目録の作成からデータベースへ

3.2 知的好奇心を満たす目的に使う


3.2.4 実物に当たる態度を育てる

 筆者の専門は橋梁工学です。橋は地域のシンボルマークになりますので、一般の人を含めて、知的好奇心の対象です。製作・架設の現地に出かけることは、いつも可能ではありません。写真、紙に書かれた資料、などの情報を、インターネットを介した検索サービスで収集することが便利になりました。橋の専門家ならば、専門のフィルタを通して利用する視点が必要ですが、専門家向けの資料は多くありません。パソコンの画面を見るだけの勉強法に加えて、専門教育の立場からは、実物を眼で見、手で触る、関連する実験、などが欠かせません。橋の調査に行っても、どうして良いかが分からなくて、野次馬と同じようにボーと見ているか、せいぜい写真を撮る程度です。それも、どこを撮影して良いかの判断もできない例が多くなりました。専門家が利用する写真の管理は、図面の管理と共に非常に重要ですので、このデータベース化の動きが実用化の時代を迎えています。こちらは、橋の観光案内的な資料のデータベース化とは違って当然です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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