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2. 文字処理と英語用語の理解

2.7 データベース作成の前段階


2.7.4 メモ管理もデータベースと言う誤解

 データベースに真面目に取り組むと、コンピュータシステム全体について、相当に深い知識と経験とが必要です。個人がデータベースを構築して利用すると言うのは、例えば、名簿管理をして、年賀状の宛名書きに利用する、その程度が限界です。この目的に使うパソコンのソフトウエアは、EXCELが便利になりました。ACCESSは、本格的なリレーショナルデータベースがWindows系のパソコンで利用できるツールです。しかし、一般の人が扱いこなすのは難しいでしょう。このこともあって、名簿管理などは、ベンチャーソフトが開発したソフトウエアで済ます人が多いのです。本格的なデータベースは、多くの人が、互いに独立していても、通信回線で繋がった環境で共同利用できるシステムです。専門的な話題について個人が自前のデータベースを作成するとしても、そのデータ量は知れています。しかし、他の人にも利用してもらい、また、他の人のデータも利用したいとなると、共同利用ができるデータベースセンターを育てる方向に進むのが望ましい解決です。データベースの維持管理は、ハードウエアとソフトウエアとを含めたシステムが必要ですし、専門的な知識を持つシステムズエンジニアが専任しなければなりません。これには相当の費用が掛かりますので、現在のところ、ビジネスモデルとして成功した例は多くないようです。インターネットが便利に利用できるようになりましたので、この解決の動きも見られるようになりました。それには、個人が持つデータをセンターに集めて、データ量全体を増やします。このとき、各個人が、データベースの知識を共有する事前の勉強を踏まえる必要があります。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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