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2. 文字処理と英語用語の理解

2.7 データベース作成の前段階


2.7.2 文献調査とガイダンス

 何かの問題を解決したいと計画するとき、過去にどのような研究があったかを調べることも、一つの実践的な研究分野を構成します。これが文献調査です。この成果は、目録の形にまとめます。そうすると、これがデータベースの原稿になる場合と、逆にデータベースから目録原稿を作成する場合とがあります。学術論文をまとめるときの定型は、introduction(序論)から始め、そこに研究の位置づけと、既知と未知の問題の説明をします。そのときに参考文献を挙げるのが丁寧です。これは、扱っている問題に関連を持つように選択をします。どの範囲まで紹介するかを絞ることの判断は、難しいところがあります。この部分は、多分に教育的な面があります。論文が扱っている専門に詳しい人にとっては、冗長に感じられても、若い研究者にも理解してもらうためには、説明が丁寧であるのが望ましいのです。一般に、学術論文を受け付けるときは、審査委員の査読があります。研究課題の解説や紹介的な報文は受け付けません。しかも、参考文献を多く書いてあると、論文の中で参照していなくても、審査委員が「よく勉強している」と好意的に捉えることもあります。逆に、非常に独創的な研究では、参考文献が無いか少ないこともあります。そうすると、参考文献が無いと言う理由だけで不採択になることがあります。したがって、定評のある教育目的の参考書が有って、それが良く知られていれば、かなりの記述を省くことができます。専門の学術機関では、教育目的に使う参考書を編集するか、別に出版された定評のある良い図書を推薦するガイダンス活動が必要です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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