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2. 文字処理と英語用語の理解

2.6 Structureの意味


2.6.2 構造化プログラミング

 英語のstructured programmingは、構造化プログラミングの訳を当てるのですが、上で挙げた「英語風文書に構成する」の言葉を補うと納得し易いでしょう。普通、文章は、頭から順に読んで理解できるようにまとめます。論文をまとめるとき、章・節・項、さらに段落(paragraph)構成を意識します。「後で説明します」「前に説明したように」のような作文は、一旦読みを中断して、そちらのページを探すことになります。COBOLの、DIVISION, SECTIONに分ける構文は、論文作文作法が意識されています。科学技術を扱う説明文書では、説明が前後することは或る程度、避けられない面があります。これを補うために、目次と索引を丁寧に作り、さらには参考文献名を添えます。筆者の経験から言うと、学校教育でプログラミングを教えるとき、お料理のレシピを作文することを例に使うと納得し易いところがあります。鍋・釜・食器類がハードウエア、材料がデータ、そして料理の手順がソフトウエア、つまりプログラムです。時間的に前後する手順で説明するのはよくありません。お料理は一人で取り仕切るのですが、複数の人が協力する、または鍋などを並べて同時処理をするのが並列プログラミングに当たることを理解してくれます。ただし、後の場合は、時間的に処理が重なると失敗の危険があります。具体的に構造化プログラミングに構成する一つ方法として、GO TO文を使わない方法が提案されます。GO TO文は、処理が飛んでいく先をラベル(見出し語)で指定する必要があります。教育用に工夫された初期のプログラミング言語のBASICは、FORTRAN流のプログラムの性格を持っています。マイコン(micro computer)に搭載されたBASICのインタプリタは、コード全体を一単位のモジュールに書きます。プログラム単位の寸法が大きくなり、GO TO文を多用すると、処理の流れをプログラム文から追いかけることが難しくなります。これをスパゲッティコード(spaghetti code)と言い、反義語(antonym)です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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