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2. 文字処理と英語用語の理解

2.6 Structureの意味


2.6.1 Structured programming

 コンピュータのプログラミング言語は、1950年代には、数値計算用にFORTRAN、事務処理用にCOBOL、少し遅れて、コンピュータ寄りのC言語の三つが主流でした。FORTRANは、数値計算を指向(目的と)していて、John Backusが1954-58年に掛けて開発しました。一方COBOLは、委員会方式のCODASYL (COnference on DAta SYstems Languages)が1959-61年にまとめた、ビジネス利用を指向した言語です。COBOLは、COmmon Business-Oriented Languageの頭字語です。ビジネス指向を標榜していることに注意します。また、COBOLの用語説明の辞書には、English-like Structured Languageとあります。日本語で言えば、英語風の構文のプログラミング言語です。科学技術の計算利用とは少し距離のある、一般ユーザに理解できることを意識したものです。ここで、構文と言う日本語を使いましたが、これに当たる英語がlanguage structure であって、structureを使うことに注意します。この英単語は、構造物や建造物の意味に理解されますので、構文として「構」の漢字が使われることには、直ぐには理解が及ばないのです。動詞としての使い方も、日本語の感覚からは距離があります。過去分詞が形容詞として使われたのがstructured programmingです。この例は、データベース関係でSQL(Structured Query Language)があります。なお、C言語は少し遅れて、1972年Dennis Ritchieの提案です。マシン語で動くコンピュータの機能を生かすことが目的ですので、コンピュータの専門家向きの言語です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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