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2. 文字処理と英語用語の理解

2.5 オブジェクト指向の言葉の意味


2.5.2 先ずオブジェクト指向プログラミングから

 パソコンは、計算機械の概念を越えて、一種の擬似的な装置(シミュレータ:simulator)の使い方が普通になりました。モニタの画面上に、擬似的な、ボタンなどの図柄を表示して、それをマウスでクリックするなどして、擬似的に操作します。この図柄をオブジェクトと言います。プログラミングの説明ではコンポーネントなどと言い、さらに具体的には、フォーム、ボタン、ラベルなどの普通名詞が当てられています。プログラミングの中では、個別に固有名詞的な名前を付けて区別します。これらのオブジェクトに機能を持たせて、ユーザとの対話に使うプログラミングがオブジェクト指向プログラミングです。教育用の例題には、電卓を作成するプログラミングが、よく紹介されます。プログラミング言語のVisual Basic(VB)は、何度もバージョンが改訂されてきました。VB6までの版では、従来のBasic流のコーディング記述をしたソースファイルを標準モジュールと言います。昔に作成したBasicのプログラムコードや、FortranやCなどのソースコードも、多少の書き換えをすれば標準モジュールとして使うことができます。これとは別に、オブジェクトを扱うプログラミングコードを記述するフォームモジュールを作成します。この区別をしておく方が分かり易いでしょう。オブジェクトに具体的な部品の図形を扱うので、その部品単位でプログラミングを作成しなければなりません。部品の種類が多くなり、部品ごとのプログラミングを集めて追加していくとページ数が増えます。相対的に、普通の計算やリストの作成などが主体の標準モジュールの説明が簡単になるか、省かれることが多くなり、初心者の勉強には不便になっています。両方を含めたモジュール単位をクラスと言うのです。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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