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2. 文字処理と英語用語の理解

2.4 システムズエンジニアリングの理解


2.4.1 システムとは何か

 データベースの話から脱線するように見えますが、コンピュータを利用することと密接に関連のあるシステムズエンジニアリング(systems engineering: SE)の解説をしておきます。英語のsystemは、カタカナ語のシステムとして国語辞典にも載るようになりました。和語には抽象的な概念を表す言葉が少ないので、辞書には漢字の熟語で組織・制度・体系などと当てています。システムとは、幾つかの要素を集めて、或る機能を達成するように構成したものを言い、個別の要素の単純集合ではない、一段階上の概念を持って使います。英語では複数形を持つ普通名詞ですが、単数形でも集合名詞の意義があります。単数形は、工学的には、電気・機械装置などの単体を言うときに使います。人の集合単位にも言うことに注意します。軍隊がその一例です。何とか組合もそうです。そこには階級制度があって、個人の勝手な行動が制限されます。コンピュータに関連する技術にもシステムの用語が眼に付きます。代表的なものがオペレーティングシステム(Operating System: OS)です。実体はコンピュータプログラムの一つです。システムの用語が多様に使われますので、複数のシステムの集合で構成される総合には、何かの固有の名称をつけて、単数形の何とかシステムの言い方を見ます。ここで、複数のシステムの集合を合理的に機能させるための、計画・設計・管理の技法が必要です。これをシステムズエンジニアリングと言い、システムを複数形で使うことに注意します。コンピュータ全体システムの管理をする人を、日本語ではシステムエンジニアと言いますが、元の英語はsystems engineerと複数形で使います。ここでのシステムは、ハードウエア、ソフトウエア、それに人の組織を含む、複数のシステムを扱うことを意味します。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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