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2. 文字処理と英語用語の理解

2.1 JIS漢字コード系制定までの経緯


2.1.2 オフィスオートメーション

 一般企業は、事務の合理化が現実的な要求です。電気機械装置を含め、種々の事務機械が使われてきました。1970年頃から、広義の合理化をオフィスオートメーションと言いました。日本の事業所必須の設備は、邦文タイプライタと、通信手段としてTELEXが普及しました。これに続いて、電子化機器として、ファクシミリ、コピー機械、そして小型コンピュータの利用へと発展してきました。電話が一過性の通信手段であるのに対して、TELEXは、通信記録が残ることが重要です。しかし、電報文のような、英数字とカナ文字しか利用できませんでした。大型コンピュータよりも低価格の、中型・小型のコンピュータの開発も進められていましたが、一般の事業所にはまだ高価すぎる設備でした。国産の大型計算機をオンラインで共同利用する一つの形態として、TELEXの利用を発展させた電電公社のDEMOSが1971年に運用を開始し、パソコンが使い易くなるまでの一時代を画しました。16ビットパソコンNEC-PC98は1982年の発表です。これは中型計算機と同じ使い方ができますので、科学技術計算だけでなく、一般事業所のOA化を促進させる原動力になりました。このパソコンが愛用された大きな理由の一つは、ドットマトリックスプリンタ(dot-matrix printer)で漢字の印刷ができることにありました。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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