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1. データベース構築までの背景

1.3 古典的な整理方法


1.3.7 カードを使う管理も捨てたものではないこと

 パソコンの性能が向上してきましたので、カードを媒介とする情報処理は時代遅れであると考えると間違えます。葉書きや名刺の利用は、すたれることはないでしょう。欠点と指摘されることの一つは、保存場所が必要であることです。利点の方を言うと、何も特別な装置を使わなくても読めることです。小学校にあるような小規模の図書管理では、書物にブックカードを付けておいて、借り出す人が署名してこのカードを図書室に残しておきます。書物を探すとき、最初から無いのか、誰かが借り出しているかが簡単に分かります。コンピュータを使うことを過信すると、装置が無ければ、また故障でもすれば、確かめることができません。コンピュータの外部記憶装置は年々改良されてきました。しかし、磁気テープ、フロッピーディスク、レーザーディスクの規格が目まぐるしく変りましたので、新しい規格に合わせるバックアップを怠って、読めなくなって死滅した資料も増えています。時代遅れのように見えても、紙に記録した形で保存することは意義があります。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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