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1. データベース構築までの背景

1.3 古典的な整理方法


1.3.6 パンチカードを使ったデータ管理

 初期のコンピュータは、文書データの作成にパンチカード (punched card)やパンチして使う紙テープを使っていました。それなりの便利さもありましたが、大量の紙資源を費消することと、広い保存場所が必要ですので、これがフロッピーディスクの利用などに代わり、現在では使われません。情報を書き込んだ、やや寸法の大きなカードの集合から、或る複数の検索項目に合うカードを取り出す方式に、ホールソート方式が使われたことがあります。カードの縁に複数のパンチ穴を空けたカードを作っておき、穴の位置に検索語を決めておきます。複数の細い針金を検索語の個所に差し込んで上に引き上げるようにしてカードを取り出します。検索語以外の項目は、穴から縁までを切り取っておくと、検索語にヒットするカードだけが取り出されます。アイディアは良いのですが、カード穴が傷むと検索もれが起こりますし、また大量のカードを扱うには不向きです。カード化した資料は、直接眼で見る利用法が便利ですが、便利さを欲張ると、使い勝手が悪くなります。したがって、この方式もすたれました。

図 1.1 文房具として売っていたホールソート(ケルンパンチカード)の用紙と道具
インターネットから検索して採図

科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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