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1. データベース構築までの背景

1.3 古典的な整理方法


1.3.5 積極的にカードを使う私的な整理法

 メモ用紙やカードに書き込んで知的な作業に使うアイディアは、古くから試みられていました。ノートに書くと、並べ替えが不便だからです。ルーズリーフ式のノートや、綴じ込みファイルは、差し替えが自由にできることで愛用されます。しかし、穴を空けて綴じると、穴の個所の文字が飛ぶことや、見開きでの利用に不便です。そのため、バラのまま保存する形式の文房具も売られています。用紙寸法としてA4版または B5版では寸法が大き過ぎますので、作業用には、葉書き大(A6版 )以下のカードを使います。川喜田二郎(1920-2009)の名前のついた KJ法、梅棹忠夫(1920-2010)の京大式カード利用法は、それなりの評価がありました。しかし、中身を自分で作成して使う技法は、情報管理には基本的に不便です。整理というのは、当面の仕事の後始末をして、次の仕事に備える作業ですので、言わば、後向きです。コンピュータを利用する場面では、カードで整理することを意識下においた整理モデルを考えると、理解し易くなります。超整理法の言葉は、野口悠紀雄 (1940-) の造語に始まりました。内容は、書類情報の私的な整理法について、パソコンを利用することを軸に、個人的な経験をまとめたものです。一般的に言えば、メモを別に作ることは、それを積極的に利用する場面が、いつになるかが決まっていないと、制作意欲が長続きしません。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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