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1. データベース構築までの背景

1.3 古典的な整理方法


1.3.1 古典的な書物保存の背景

 もともと、図書館は、耐久性のある厚手の表紙を付けて、上製本された書物(ハードカバー)を縦に並べて保存します。製本は費用が嵩みますので、商業出版物では簡易製本で済ますペーパーバックや、雑誌形式も多くなりました。こちらは縦に並べて保存する整理方法に向きません。和書もそうです。これらの保存整理が面倒です。公共図書館では、利用者の便も考えて、新書版のようなペーパーバックも置きます。雑誌類は、適当な期間の展示が済めば、廃棄します。したがって、製本形式にとらわれずに保存を目的とする図書館を保存図書館と言います。代表的には国立国会図書館がそうです。英語ではarchives(アーカイブ)と言い、通常は複数形で使います。こちらの用語は、主な対象を官公庁の重要文書を扱う施設に使い、日本語では公文書館と訳しています。これを広く解釈させて、変更が無い歴史記録として残したい物を保存する施設にも言います。コンピュータのファイル管理でも眼にする用語になりました。クラシック音楽の愛好家には、ドイツ語読みのアルヒーブと説明すると納得してくれます。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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