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1. データベース構築までの背景

1.2. 整理と保存の現実


1.2.6 分類番号の代わりにキーワードを使う

 図書は種々の言語で出版されますので、表題に書いてある文字並びの意味が分からなくても、適切な分類のところに一応保存しておく必要があります。番号を使う分類であれば、司書の作業で迷うことはありません。この場合、言語が異なっても共通の番号数字を使います。ヨーロッパ圏では、国際十進分類法(UDC: Universal Decimal Classification)が使われています。ただし、日本とアメリカの分類法は、これと整合していません。この番号と分類語との対照表は、言語ごと、または国ごとに決めています。一つの言語環境では、分類番号を使うよりも、普通の用語(自然語と言うことがあります)を使う方が便利です。これを、キーワードの提案に繋げます。分類語の種類が増えないように、用語を制限します。その用語を集めたものをシソーラス(thesaurus:分類語辞典 )と言います。通常、専門ごとの学術用語にしますので、専門用語辞典とも言います。日本語の環境ならば、日本語をキーワードにすることができます。キーワードとして使うときは、同じ意味で、用語の揺れがなく、コンピュータの文字処理に向くように決める必要があります。例えば、英字綴りでは、 data base, data-base, data.base, database, databasesなどをすべて認めるのではなく、database一つにします。そうすると、それ以外の綴りを使うと、検索漏れが起こります。これを防ぐソフトウエアの技法の一つが、パソコンの使い方にあるプルダウンメニューです。これは、大分類を上位語(BT: broader term)にして、サブメニューがツリー構造の下位語(NT: narrower term)の種類を表示してくれます。ユーザがキーワードを思い付くことと、キー入力の手間を省くことができます。これがインタフェースに当たります。なお、上位語、下位語、さらに関連語(RT: relational term)は、シソーラス関係の用語です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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