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1. データベース構築までの背景

1.2. 整理と保存の現実


1.2.5 二次資料の作成作業が大変

 データベースでは、データ(data)を資料と訳し、情報元は、書物本体、または広く解釈して、実体の有る(object)です。一次資料とも言い、英語の source(ソース)が当たります。風聞または伝聞は、ソースが無い情報です。一旦広まると見掛けの実体を持つようになる恐さがあります。データは、測定装置で得られる、眼に見えない電気信号なども含みます。情報は、データとほぼ同義です。ただし、何かの言語を介して文書化し、眼に見える形態に変えたものを指します。これがソフトウエアに当たります。科学技術の測定装置で得られる電気信号は、デジタル化すればビット情報になり、(1,0)の符号文字で文書化したバイナリーファイルを作成できます。これは一次資料扱いをします。一次資料の要点をまとめた資料を二次資料と言います。図書文献の場合には、表題・著者名・発行年・発行機関、そして内容紹介の抄録(abstract)を含めることがあります。日本の書籍は、これらの情報を奥付(imprint)にまとめます。これは良い制度です。欧米の書籍は、この習慣が一般化していないからです。図書文献のデータベースに使う材料は、この二次資料です。従来から図書館では二次資料をカードや目録などの形で作成するのですが、奥付の項目の他に、分類番号を付けます。日本では日本十進分類法(NDC: Nippon Decimal Classification)を使います。図書館での蔵書目録をデータベース化するときは、古くから保存してある書籍の全目録も電子化資料にしなければなりません。これには、膨大な手間と費用とが掛かります。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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