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1. データベース構築までの背景

1.2. 整理と保存の現実


1.2.2 整理法は技術であること

 整理には上手・下手がありますので、一種の技術です。一般論で言います。技術の中身は、三つに分けて考えることができます。これを筆者は、技術の三要素「道具・技法・技能」としています。現代風に言えば、「ハードウエア・ソフトウエア・インタフェース」です。専門家が居ても不思議ではありませんし、そうあるべき時代になりました。書類の整理で言えば、例えば、書庫・書架・ファイリングキャビネットが道具、分類法が技法、そして、書類の扱い方が技能に当たるでしょう。公的な環境では、前の二つは規則を決めることができます。技能を持つ専門家としての資格が、図書館司書です。欧米の管理職につく女性の秘書(secretary)は、職業としての位置が社会的に認められています。この秘書がコンピュータユーザの一大勢力です。マイクロソフト社がOfficeの名称を付けたソフトウエア製品は、秘書の希望を反映するように発展してきました。秘書の仕事は、かなりの部分が整理です。また、女性の方が整理を面倒がらずにやってくれます。このとき、上にあげた三つの区分を納得していないと、整理については何も解決しません。三つの区分を理解できれば、整理法の教育を具体的に立てられます。道具の中に、パソコンが加わったので、この取り扱いも秘書の素養として必須になりました。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」T

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