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1. データベース構築までの背景

1.1 軍事研究に始まったコンピュータの開発


1.1.4 データベースは軍事用語であったこと

 科学技術計算以外のコンピュータ利用は、大枠としての事務処理です。オフィスオートメーション(office automation: OA)の言い方があります。 "office, file, folder"などの用語は、事務処理の方から転用して使われるようになったものです。事務処理の中の重要な課題の一つが、資料本体の管理です。データベースは、アメリカ軍の軍事用語に起源のある用語です。軍用機専用の飛行場をair baseと言います。軍事作戦は、データを収集して分析に利用しなければなりません。このデータ収集と利用の基地と言う意義がdata baseです。初期には、2語を並べましたが、ハイフンで繋ぐ data-baseを経て、1語のdatabaseと使うようになりました。データベースの施設は、図書館と同じ性格を持つ作業環境です。図書館は、製本された書物の形にしたものを主な管理の対象とします。データベースの方は、論文や報文の中身の要点を手掛かりとして所在情報、さらに記事本文に当たることができるように管理します。手掛かりに使う分類語をキーワード(keyword)と言います。これも2語の key wordを詰めて一語で使うようになりました。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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