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H2. 話し言葉の注意事項

対話の基調
  • 「です」「ます」体としたい。
自分をさす言葉
  • 男女を問わず「わたし」を標準の形とする。「わたくし」は、あらたまった場合の用語とする。
  • 女性の発音では、「あたくし」、「あたし」もあり得る。男子学生の用語の「ぼく」は 使わない。また「自分」も、使わない。
相手をさす言葉
  • 「あなた」を標準とする。複数の相手には「あなた方」が適当である。「諸君」は、あまり使わない方が良い。
  • 「きみ」「ぼく」「おれ」「おまえ」の表現は、親しい間がらだけの用語である。
敬称
  • 「さん」を標準の形とする。「さま(様)」は、あらたまった場合の形で、主として手紙の宛名に使う。
  • 「氏」は書き言葉用に使う。
  • 「くん(君)」は、男子学生の用語で、それに準じて若い人に対して用いるが、なるべくなら、「さん」を用いる。国会や、学術講演会などで使うのは特殊な例である。
  • 職業上の地位を表す「先生」、「局長」、「課長」、「専務」などに「さん」をつけて呼ばない。
  • 「たち」は、例えば「わたしたち」と云う様に、自分のほうにつけてよいが、「あなたたち」は失礼になる。
  • 「ら」は書き言葉であって、「A氏、B氏、C氏ら」の様に使って良い。
お」、「ご」
の使い方
  • 相手の物事を表す場合で、それを訳すと「あなたの・・・・」と云う意味になる場合。例えば「お帽子」「ご意見」など。
  • 眞の尊敬の意を表す場合。例えば、「先生のお話」「先生のご出席」など。
  • 慣用が固定している場合。例えば、「おはよう」「おかず」「ごはん」「おいでになる」(すべて「お・・・・になる」の型。
  • 自分の物事ではあるが、相手に対する物事で、ある関係上それをつけることが慣用となっている場合。例えば、「お手紙」「ご返事」をさしあげる、「お願い」「お礼」「ご遠慮」「ご報告いたします」など。
  • 「れる」「られる」と重複するのは省く。例えば「(ご)調査された」「(ご)卒業された」は、単に「調査された」「卒業された」または「ご調査になった」「ご卒業になった」が正しい。
動詞の敬語法
  • 「れる」「られる」をつける。例えば、「書く」「受ける」を、「書かれる」「受けられる」とする。ただし、受け身の言い方とまぎらわしいので、書き言葉には使わない。
  • 「お・・・・になる」の型。例えば、「お書きになる」「お受けになる」とする。ただし、「お・・・・になられる」という必要はない。
形容詞と「です」
  • 形容詞の結び方で、「大きいです」「小さいです」などの形は認められている。


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