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付録G. 文章作成の作法

Appendix-G Writing Logical Japanese Document


G1. 文体 (Writing Style)

(1)
文体とは、文章表現の全体的な特徴を言います。一般的に言えば、文語体や口語体などの区別を指す用語です。具体的には、文章の終りの形で、“・・です、・・ます”調と“・・である”調の二つがあります。やや公式的な文書では“・・である”調で書きますが、これを文章口語体(書き言葉)と云います。これに対して、“・・です、・・ます”調は“話し言葉”です。実用文書の文体は、どちらかに統一して、混用を避けます。

(2)
英語では、イギリス英語(ヨーロッパ)とアメリカ英語の区別がありますが、これも文体の違いとし、これもどちらかに決めます。日本ではアメリカ英語の影響が強いのですが、国際会議などではイギリス英語の文章作法が多く見られます。日本語のワードプロセッサに付属している英文spell checker用の辞書は、アメリカ英語になっています。英語を母語としない日本人が英文を書くと、いわゆるジャパニーズ・イングリシュになりかねませんので、native speakerに見てもらうなどの注意が必要です。

(3)
文章を構成する上で、文体には書く人の固有の性質が表れます。つまり書く人のクセが表れます。これは、その人の創造的な活動に由来しますので、著作権を発生するものです。しかし、文書で事実を正確に伝えるために、独特の文章スタイルが出来上がっているものもあります。法律の文書、官公庁の文書、ビジネスレターなどです。実用文書では、文学作品にあるような、文章作成に工夫を凝らすのはよくありません。科学技術レポートは、内容に科学的かつ正確性が要求されますので、その立場からの注意が基本です。

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