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Step ExB4. 組み版言語など


B4.1 書式記述言語

 日本語の印刷文書を作成する基本的で伝統的な方法は、次のような過程で処理が流れます。まず、原稿を400字詰めの原稿用紙に書きます。原稿用紙は、文字の桝目が並び、字数の計算が簡単にできるようになっていて、行間に書き込み用の余白があります。ここに作者と編集者が種々の編集用の記号などを書き足します。これを編集校正記号と言い、JIS(日本工業規格)にもなっています。この書き込みを行った原稿は、印刷工場の植字工に渡され、活字を並べて版に組み上げます。この版から、印刷機械用の版を別に作製して印刷します。これが第何版ように番号で区別する製版番号です。印刷した用紙から、綴じて書物の体裁に装丁しますが、これには製本の専門家集団が当たります。コンピュータの利用は、この処理過程をかなり合理化し、また便利にしました。レーザプリンタが安価に供給されるようになって、パソコンを利用して個人レベルでも小部数の印刷ができるようになりました。これがDTP(Desk Top Publishing)です。この文書作成過程で、原稿作成にテキストエディタが利用されます。編集校正の書き込みではなく、直接に書式を調整しながら版を作成するのがワードプロセッサです。これをインタラクティブと言うのですが、GUI方式と言います。しかし、編集校正の指示を原稿と共に眼に見える文字や記号で書き込む方法も必要です。これを文書記述言語と言い、英語でMarkup Language、詰めてHLとします。HTML、SGMLでのMLがそれです。日本語の印刷会社や新聞社では特別な組み版言語を使います。文書記述言語込みの原稿をマーク付き言語と言います。数式を含む文書作成に使うTeXが有名です。インターネットで利用するHTML文書のファイルもそうです。


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