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B1.2 文章の自動的な行折り返し

 昔使われた機械式のタイプライタでは、長い文章が一行に納まらないときは手動で改行して次の行に続けました。手紙のように文章が長いと複数の行にまたがって続けなければなりません。文章の追加や削除があるとき、一行の長さを揃えるには、最初から打ち直しをしなければなりませんでした。英語では、単語の切れ目で改行しますので、右行端が凸凹の不揃いになります。不揃いをなるべく目立たないようにするため、長い単語はハイフンで区切って次に続けます。この調整が大変です。したがって、最も原始的な文書は、一行を一段落に構成します。そうすると、見掛けが箇条書きになります。昔のプログラミング言語は、文字数を制限して一行単位でまとめ、整理を分かり易くするためにに、行に番号をつけました。そうすると、論理的に長い文章を作成したいとき、次の行に文章を繋ぐ方法が面倒でした。

 テキストエディタやワードプロセッサを使ってパソコンの画面で文章原稿を作成するときは、画面の右端まで文字が詰まると、改行キーを使わなくても、自動的に次の行に文章を続けて表示してくれます。これを行端での自動的な折り返しと言います。ただし、テキストエディタであるメモ帳(NotePad)は、編集メニューに「右端で折り返す」機能のon/offが選択できるようになっています。offに設定すると、一行一段落で表示され、長い文章は横方向にスクロールして見ます。文章原稿をタイピングで作成するとき、段落の概念の理解し、この折り返し機能を有効に活用する知識が必要です。表題や章・節・項の見出しは、段落の特殊なものです。段落は物理的な文章単位ですので、これに書式と体裁とを加えるのが、ワードプロセッサです。


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