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6. その他の項目

6.1 ドキュメントシート

 ドキュメントシートとは、そのレポートを発行する機関が責任を持つてまとめる、書誌事項のデータです。従って、卒業論文、修士・博士論文をまとめる、または学術雑誌に論文を投稿する、などの段階では必要ありません。

 ドキュメントシートは純粋に文書管理の目的に用いられるものであって、コンピュータによる情報検索の入力用データを意識しています。このドキュメントシートは日本ではまだ一般化していませんが、SIST- 09 に基準化されています。国際的にレポートを交換するには、必ずこのドキュメントシートをつけます。日本のレポートは、英文・邦文の二言語で準備するのが親切でしょう。

 ドキュメントシートのレポート中の挿入場所は、ISO-5966 ではレポートの最後、裏表紙の直前、見開きで右ページと指定されています。用紙を節約するため、表題のページを省略して、ここにドキュメントシートを置くことも考えられます。挿入位置は、国によってまちまちですが、日本と米国は頭の位置を提案しています。


6.2 配布先リスト・問い合わせ先など

 レポートの配布先リストは、そのレポートを見たい他の利用者が、どこに行けばそれが入手できるか、または閲覧できるかの情報を与えるものです。例えば、指定書店名などがそれで、官公庁の文書など一般の書店が扱わない場合に、利用者に情報を提供するものです。この項目は、日本の図書では奥付と呼ばれる裏表紙の内側に記載する様式に相当しています。欧米には奥付に相当する書誌事項がありません。


6.3 裏表紙

 表紙及び裏表紙は、レポート本体の保護に用いるため別の用紙を使うのが普通です。これは一枚の紙でレポート本体を包み、もしレポートに厚みがあれば、背表紙(spine) に著者名、表題、識別番号などを書きます。裏表紙には、印刷所・発行所、価格などを載せてもよいですが、できれば利用者が自由に使えるように余白にしておきます。用紙の色について特にこだわりませんが、コピーを取るとき文字が鮮明に読めるような注意が肝要です。


6.4 背表紙

 ページが多いレポートで、背表紙に印刷ができるなら、簡単な書誌事項を書きます。項目としては、著者名、表題および、レポート識別記号です。背表紙の書き方の注意は著者名・表題などは簡略できること、上から下に読む様に文字を並べること、下から30mm の部分は、文書管理のため(ラベルなどを貼る場所です)余白にしておくこと、などです。


6.5 綴じ方

 レポートは左綴じとし、左開きで使うように綴じます。 綴じかたの方式は規定しませんが、開いて平らになるものとします。上で綴じたり、また、左上隅一か所で止めるのも不適当です。

 通常のレポートは、用紙の長辺を綴じますが、図や表を主体としたものでは、短辺で綴じる場合もあります。このときは、文章と図・表を同じ向きに揃えるように、二段組みにするなどの工夫が必要でしょう。なお、大きな図面をA4 の寸法に折り込んで綴じる方法は、製図基準に定められています。


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