付録は次に示すような場合に作成します。
付録は、本文と合わせて綴じ込んでもよく、また分冊にまとめる方法もありますが、何れにしても、なくてはならないものではありません。付録は、レポート本体ほどに形式にこだわりませんが、それ自身が独立した構成を持たなければなりません。たとえば、参考文献の引用などは、本文の参考文献の番号を引用せず、重複しますが付録にも同じ参考文献を含めておきます。付録の中の章・節・項の番号、図・表の番号、式の番号、参考文献の引用番号などはレポート本体の番号や、他の付録の番号付けと区別するために、A, B, . . の英大文字をつけます(表1参照)。ただしページ番号は、レポート本体の追番をつけておきます。
付録にまとめる項目は、次の節に示します。
本文で説明に利用しなかったが、説明を補うのに効果的な別の例図や表などです。注意することは、実験などで得られたデータを本文の方に全部載せられないので付録にする、という目的に使ってはなりません。別の出版物、データセンタなどの資料をレポートに含めないで、その目録をつけるのは一つの解決法です。
用紙の材質、寸法などが特殊で、レポート本体と馴染まないものを付録とすることがあります。例えば、用紙寸法の大きい図・表や、フイルム・布地などです。これらは本文と同じような複製ができませんから、取り扱いが面倒になります。
本文で引用しなかったが、名前と表題だけでも挙げておくことに価値があると考えられる文献を、付録にまとめます。文献目録の書き方は、3.5 節と同じです。この書き方について神経質な理由は、著作権の問題と、特許などのように日付が重要になるからです。
レポートで報告する研究で用いた、言わばハードウェアやソフトウェアの詳細は、レポート本体に含めることは、一般に適当ではありません。これらは、もし別に独立したレポートにまとめる程でもなければ、付録とします。これらの中身は、往々にして別の担当者が書くことがありますので、その著者名を付録の表題に書くと共に、レポート本体の表紙にもそのことを記し、著者の業績を尊重するようにします。