目次ページ  前ページ   次ページ

4. 画像を含める印刷

4.2 ワープロを使う原稿作成


4.2.7 Webを介する送受信

  • はじめに、用語の webについて説明します。と言うのも、この用語は、橋梁技術者が使う専門用語の一つであって、プレートガーダー鈑桁)の腹部を言います。元々の構造は、細い部材を斜めに網目状に組み上げた部分だったからです。英語webの原義は、蜘蛛の巣です。このような桁全体を、ラティス(lattice)桁とも言います。Web部分を鈑材に置き換えた構造がプレートガーダーです。ラジオやテレビの放送網を network と言います。世界的な通信網を言う時、語呂合わせ的にWWW (World Wide Web)の用語を使うようになりました。
  • Webを介して情報を送受信するときは、文字コード(テキスト)を使うことが基本です。文書は、画像も考えれば、2次元的な情報ですが、それを1次元の文字データ並びに編集して送信し、受信側では2次元並びの文書に再現します。そのテキストの書式を決める約束がHTML (Hyper Text Markup Language)です。画像を送受信するときに問題が二つあります。一つは、画像がビット並びのバイナリーデータであることです。これを、便宜的に、文字コードの集合に変換します。二つ目は、データ寸法が巨大化することです。これに対応する技術は年々進歩してきました。しかし、画像のデータ量を節約する対策が基本的に必要です。
  • Webを介して送信側文書の組版スタイルを、受信側で正確に再現させたいときは、ページ全体を画像データとして扱います。TIFF形式の画像ファイルが、業務用として推奨されています。デジタルカメラ用の画像ソフトはJPEG形式のファイルが多く利用されるようになりました。ページ数が多くなる文書は、受信側で印刷して利用することを考えて、送信側ではPDF形式に変換したファイルも準備します。ダウンロードの負荷を少なくするため、筆者は、ページ数を抑えた複数のファイルに分けるようにしています。
  • 印刷するまでもなく、モニタ上で閲覧するだけの文書ならば、ワープロファイルからHTML形式のファイルに落とし、インターネットエクスプローラ(IE)を代表としたブラウザ(閲覧ソフト)で読むように設計します。ワープロからそのまま web形式に変換できます。しかし、そのテキストにはワープロで使う書式制御のデータが多く含まれていて、ファイル寸法が大きくなります。目次や索引から、見たい箇所を見つけて、直ぐにその場所を表示できるようにするため、筆者は、ワープロの章・節・項の構成を細かくしてあります。この全体は、ソフト名のHTML Help Workshopを使ってコンパイルし、識別子(*.chm)のHelpファイルを作成しています。オフラインの環境で、このファイルをクリックして開くと、上記のIEが起動して、ファイルを閲覧することができます。このコンパイル作業のとき、HTMLファイル全体の構文エラーやリンクエラーのデバッグをしています。IEの画面で、メニューの「ページ→ソースの表示」をクリックすれば、テキスト形式のソースファイルを見ることができます。

前ページ   次ページ