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3. 画像処理の理解が必要

3.3 画像の観察と眼の機能


3.3.2 画像の方の実用寸法

 標準的な35 mmカメラは、フィルム寸法35×24 mmに対して、焦点距離が50 mmです。左右の視野角は40°、上下は26°です。人は両眼で物を見ます。全体を捉えて判断に使う範囲は、この視野の内側です。多少ピンボケの写真でも我慢するのは、全体像で見るからです。A4版の用紙を横位置にして50 cm離して見ると、この視野になります。A6版の葉書大の画像は、眼から25 cmに近づけると、同じ視野に入ります。したがって、全体画像から部分を仔細に見るときの最小寸法は、データ量の増加を抑えた葉書大を筆者は提案しています。画像の場合、視野の内側全体をまとめて観ています。そうであっても、意識して注意を向けて観るときの箇所は狭い範囲です。画像をデータベースの重要な要素にするためには、文字による説明を添えます。対象としている画像の、どこに注目するかの情報を補うことが望まれます。しかし、画像は、作成者の思い入れがあります。観る人は、別の受け取り方もします。工業図面は、これらの主観が入らないように製図規則を決めています。

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