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3. 画像処理の理解が必要

3.3 画像の観察と眼の機能


3.3.1 文書の用紙寸法と文字寸法

 文字並びの文書をワープロで作成するとき、手頃な一枚ものの用紙寸法としてA4版を使い、縦位置・横書きが普通です。横位置で使うのは例外的です。用紙を眼から約30 cm離して見るのが普通の読み方であって、これが明視の距離です。見易い文字寸法は高さにして4mm前後です。ワープロでは10〜12ポイントの文字寸法を使うことが標準です。横書きの文書は、一行当たりの文字幅を広くすると、文字を読むとき、視線を左右に大きく動かすことになり、行末から次の行頭に視線を移すときに読み間違いをすることがあります。行間をやや広くすることもします。筆者は句読点を多く使うことにしています。文字数を多く詰めたい文書は、段組をして一行当たりの文字数を抑え、読み易さを助けます。最近の小型版の書籍、また大版用紙を使う新聞でも、段数を増やして、やや小さめの9〜10ポイントを使うようになりました。辞書は、さらに小さな文字寸法ですので、眼を近づけて読みます。しかし、文字は、字形を見て読みと意味とを理解しなければなりませんので、小さくするにしても限度があります。普通の書類を縮小コピーするとき、何とか読める縮尺は1/2までです。A4版の文書はA6版(ハガキ大)に、また、工業用のA1版の図面はA3版に、それぞれ作り直すと、書棚に置いて整理し易い寸法になります。図面は、画像データとしてA3版のさらに1/2以下に縮小することも考えられます。しかし元の図面は、文字と数字とが書き込んでありますので、それが読めなくなる縮小は、図面としての意義がなくなります。

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